【エッセイ】沢山の機能を複合化し公園のようにまとめあげる - タイプでは語れない大きな建築のはなし

日本、海外問わずそれまで図書館、学校など明確にビルディングタイプとしてカテゴリー分けできた建築が、20年前から少しずつ、「何の建築か一言で言えない」タイプへと変貌してきています。その代表例が、せんだいメディアテークや武蔵野プレイスなど、主機能は図書館と言えそうのでも、決して「〜図書館」とは呼ばない建築です。そのネーミングに運営側から利用者への大切なメッセージが込められているのです。かつてフィンランドに住んでいた時に、日本とヨーロッパの人々の「生きること」、生活の仕方の違いに注視していたことがあります。日本では「仕事と生活、どっちを取るか」と問われて、違和感なく「仕事!」あるいは「生活!」と答えるでしょう。ところがフィンランドで同じ質問をすると、この質問自体意味をなしていないことに気がつきます。つまり仕事をしている時間も、子育てしている時間、友人と外食や余暇を楽しんでいる時間も、すべて一つの時間の流れの中にあって切り分けることができない、という感覚があるのです。つまり、人の生活はナイフで切り分けられるようなものではなく、一連の時間の流れの中に発現します。無目的で歩いていたら途中でいろいろな刺激に出会い、寄り道したくなる。そんな公園のように過ごせる建築は、ついつい人が足を向け訪れたくなる魅力につながっています。

これらの建築は、沢山の人に「寄り道の魅力」を伝えるという意味で、規模が大きなものが多いです。

例えば研究で注目しているものに、「フィンランドのサウナ建築」があります。サウナは寒い国の人々の生活に欠かせない入浴空間で、熱を部屋に閉じ込める必要があるため容積を大きくできません。色々な地域のサウナを比較しても、一つのサウナはせいぜい3m*3m程度の面積です。近年この入浴文化の代表・サウナを主機能にしながら、様々な機能をあわせて公園のようにまとめ上げた建築がフィンランドを賑やかしています。また蔦屋書店とスターバックスのタッグによるT-SITEにも同様の魅力を感じることができます。

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